解決!トマトの尻腐れ

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zoom RSS トマトの尻腐れ果が発生する意外な原因とは (その2)

<<   作成日時 : 2013/09/11 07:30   >>

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今回は、トマトの尻腐れ病の予防方法と対策ではなく、逆説的に、トマトの尻腐れ果の発生率を100%に近づける作戦を練ってみたいと思います。
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(1) まずは、土1gに1億〜1兆匹いるといわれる微生物をすべて死滅さ
せます。そのためには、土壌消毒をします。
    「土壌消毒というのは、土壌の中の病原微生物を殺してしまう
    か実害のない程度に少なくすることである」(園芸用語辞典)
とあるので、はたして全滅させれるのか、心配になりますが、ある農家さんの「あらゆる微生物を殺すことになるので、やる気は有りません」という証言がありますので、きっと効き目があるでしょう。
また、有機のチカラさんによりますとクロロピクリンという毒ガスを土中に打ち込めば微生物を根こそぎ殺せるそうですから、これは心強いお話です。

さらに、理由はわかりませんが土壌消毒を行うことにより、カルシウムが畑の土壌へ溶け出しにくくなるようです。
土壌病害などの土壌消毒処理は、土壌溶液中へのカルシウム溶出を減退させるため、カルシウムの欠乏を助長する要因にもなっている。

農文協 「農業技術大系」 野菜編 第2巻 トマト  より引用

(2) 土壌消毒が済んだら、カルシウム資材をたっぷりと撒いておきます。
   「それって、トマトの尻腐れの予防策では?」〜いえ、いえ、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」↓ということわざの通り、土壌のカルシウム濃度が高すぎるとトマトは、逆にカルシウムを吸収出来なくなるんですねー。 
     - 度が過ぎることは、足りないことと同じくらい良くないということ -

また、カルシウム資材としては、有機石灰よりも消石灰のほうが良いでしょう。
何せ、あの鳥インフルエンザが猛威をふるっていたころ、白い防護服を着た方たちが消毒用にまいていた白い粉が消石灰だというのですから、微生物を殺す力も期待できます。
   
(3) チッソ肥料としてはもちろん化学肥料を使います。撒くときは、濃ければ濃いほど微生物から水分を奪って殺す効果もあります。

(4) チッソの形態としては、硝酸態のものと、アンモニア態のものがありますが、これは、後者のアンモニア態のものを選ぶことが決め手になります。といいましても、何も気に留める必要はありません。
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ホーム・センターへ行って、だまって目をつぶって化成肥料を手に取りますれば、それは、間違いなくアンモニア態の肥料だからです。硝酸態のものはまず無いでしょう。( こういうものもありましたので参考までに→速効性・硝酸カルシウム )
生理障害(すじぐされ果、尻ぐされ果)を回避するために、硝酸態窒素肥料の効果が実証されている。
農文協 「農業技術大系」 野菜編 第2巻 トマト  より引用
   
●隔離床栽培は、防根透水シートを用いて、根域を制限して生育(水分)制御を行うため、梅雨明け後の高温等で通常の養液土耕栽培よりも尻腐れ果の発生が多い傾向にある。●施肥を単肥配合により窒素形態を硝酸態窒素94%とすることで、可販果収量が多くなり、尻腐れ果の発生を低下させることができる。
農研機構さんのHPより引用

硝酸態より、アンモニア態の肥料を使った方が、トマトの尻腐れ発生には有利なんです。
その理由は、身勝手な(?)アンモニウムイオンはカルシウムの吸収を妨害するからです。

(−)の硝酸イオン(+)のカルシウムイオン、マグネシウムイオンと引っ張り合いながら(くっつき合いながら〜手を取り合いながら)根に吸収されていきます。
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しかしながら、アンモニウムイオンは(+)であるため、同じ(+)のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを引き連れることなく(引き合うことなく)単独で(一人で)根に吸収されていき、その結果トマトはカルシウム不足となります。
(注:化学が苦手科目だった私が書いてます。)
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そして、トマトがアンモニウムイオンを吸収すればするほど、カルシウムの要求度は高まり、更にトマトの尻腐れを促進するという好循環が生まれます。
作物の細胞内でアンモニアの濃度が高まると、細胞内器官(主としてミトコンドリア)でのカルシウム要求量(=必要量)が増えるため、相対的な欠乏を起こしてトマトの尻腐れに代表されるような症状を起こす以外に、目に見えない小さな壊死も各所で起こって病原菌の侵入口となる。

もりおのえんげい」さん HPより引用

(5) 水やりは徹底的に控えます。糖度19度というギネスブックもののトマトも夢ではありません。
    
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永田農法で有名になった永田照喜治さんの本 「おいしさの育て方」です。
同書のなかで糖度19度のトマトのことが記されているのですが、私はこのトマトをつくった農家さんのHPを見つけましたので、この方の声をご紹介します。
トマトをつくって最初の年は、はじめからとても厳しく水と肥料をしぼったので、糖度19度というトマトができてしまったんです。「ギネスものの記録」と言われましたが、ただ、石みたいに硬くて食べられる状態ではありませんでした。

【こちら↑へリンクを張るのは自粛しますので、関心のある方は 「糖度19度 トマト ツボイ」 で検索お願いします。】
尻腐れているだけのトマトならば、早期発見で黒い所だけ削れば十分食べられますね。
以前、尻腐れのでてるトマトのほうがうまいんだという方がいたのですが、私には真偽は分かりません。
    【追記】
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情報バラエティー番組で「尻腐れのあるトマトは美味しい」という話がありました。
井出トマト農園 <7棟のハウス(ハウス面積3000坪)> の2代目経営者、井出寿利さんです。と言いましても、シミ程度の尻腐れなんですね。お尻が黒くなったトマトが店頭に並べられるハズがありませんものね。
「尻腐れのトマトは安いけど美味しい」 とのことです。
    
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我が家で採れた軽い尻腐れのトマトです。
これは売物にならないのかなあ?(笑)
完熟の色ではなかったので、食べないでトマトジュースの原料にしました。我が家のトマトのほとんどはトマトジュースにしていただいています。   
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もう一つの美味しいトマトの見分け方は 「中心から放射状に延びている白い線があるトマト」。スターマークと呼ばれ、これが大きければ大きいほど糖度が高いと言われています。井出さんによると 「水分と養分のバランスが一番良い時期に現れる」 とのことです。
    【追記 終】

(6) ハウス栽培の場合でしたら、夜間のハウス内の気温を下げないようにすると、トマトの尻腐れが増えるという新聞記事もありました。

(7) 微生物をせん滅する目的をまだ述べてませんでした。
その最大のターゲットは硝化菌です。アンモニア態の肥料を畑に撒いた場合、これをかなりすみやかにトマトの好む硝酸態に変化させるのが硝化菌です。
   ( トマトに限らず畑の作物は硝酸態を好みます。しかし、畑にこれが存在していなければ、作物は背に腹はかえられぬとばかりにやむなくアンモニア態の窒素を吸収します。)
せっかく、アンモニア態の肥料を撒いたのに、この菌のために硝酸態に変えられてしまっては元も子もありません。 トマトをカルシウム不足に陥らせるためには、いては困る菌なのです。

● 邪魔者を消してから、トマトの尻腐れに効果的なアンモニア態肥料を撒いてやる。これが、この策戦の要旨であります。

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…と、まあ、自分でも恐ろしいことを書いてしまったと思います。
微生物さん、ごめんなさい。
  
私は「化学肥料がトマトの尻腐れの原因だ」などと強調したいわけではありません。
有機肥料を使っている私のところでも、トマトの尻腐れはでるのですから。
また、化学肥料を使っていても、その施肥技術で尻腐れを抑えている農家さん、ベテラン家庭菜園家さんは間違いなくいらっしゃると思います。

しかし、アンモニア態肥料と硝酸態肥料との区分けだけは必要のようです。
なたね油かす区では硝酸石灰区と同様、尻腐れ果の発生は少なく、同等の正常果が得られた。トマトは窒素源としてアンモニア態よりも硝酸態を好むことから、硫安の施用は尻腐れ果の発生を助長したものと思われる。しかし、被覆硫安区の緩やかなアンモニア態窒素の供給は、尻腐れ果の抑制につながると考えられ、なたね油かすの緩やかな無機化が効果的であったと推察された。

JA全農さん HP 「有機質肥料で栽培されたトマトの果実」 より引用



一般的には知られていない事だが、我々は畑作への窒素の施肥については 「アンモニア態窒素は全窒素中の30%以内に止めるべきである」という大原則があることを知っておきたい。 この大原則を無視しているわが国の畑作では、窒素源は主としてアンモニア態窒素または尿素態窒素で使用される。 その結果アンモニア態窒素の過剰によって、
(〜略〜)など(の病気)を多発させているのが現状である。つまり、窒素を硝酸態窒素とアンモニア態窒素に区別せずに混同している人たちが言う“窒素を多用すると病気になる”と言う所以かもしれない。

Kishima's Websites HP 「硝酸カルシウムについて」 より引用 ← 詳しいです。

窒素肥料のやりすぎは、トマトの尻腐れの原因になることがある、とよく言われてますが、この場合も同様に区分けして考える必要があるかと思います。


〔2013年10月30日投稿〕

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
興味深い話に、素朴な好奇心から質問に参りました。
土壌のpHはどうですか?
tam
2015/01/16 23:48
tamさん、はじめまして。毎年カルシウム資材を入れ続けているとphはじりじりと上がってきます。トマトはph5.5〜6.5の弱酸性〜微酸性を好むと言われてますからph7.0(中性)位になるとトマトにとってはカルシウム過剰かと思います。
「2014年 尻腐れレポート」の記事に我が家のトマト畑の土壌phについて記述がありますのでよろしければご参照下さい。


rainbow
2015/01/17 11:39
今年は尻ぐされが多くて困りました。息子からこちらのページを紹介されました。カルシュウムが吸収されない理由に驚きました。中玉は大丈夫なのに、不思議です。早速葉を切ってみます。
えみママさん
2018/08/03 21:20

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